荒川区・台東区の日暮里動物病院は土曜、日曜、祝日も8時まで診察しております。特に外科手術を得意としており、犬猫などの患者さんはもちろん、飼い主様にも優しい診療を心がけております。
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東京都荒川区東日暮里6-11-1 筆山ビル1階
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腫瘍外科
犬の乳腺腫瘍
犬の乳腺は左右5対10個あります。乳腺(お腹のところ)に硬いしこりができた場合は乳腺腫瘍の疑いがあります。
犬ではヒトの3倍発生が多く、雌犬の腫瘍では発生が最も多いです。
高齢の雌で避妊手術をしていない場合に多く発生します。原因はホルモンによります。
良性と悪性の割合は約50%で、多くの乳腺腫瘍は早い段階に手術を行うことで治すことができます。
良性(50%)
悪性(50%)
・悪性度が低い(25%)
・転移を起こすなど悪性度が高い(25%)
手術を行うかどうか?
手術は治療と同時に診断をつけるために行います。細胞診では診断がつかないことと、早期であれば多くが手術だけで治る(乳腺腫瘍の75%)ことから、手術を行うことが推奨されます。
また、乳腺腫瘍が発生するような高齢の雌では子宮や卵巣に異常をきたしているこが多く、避妊手術を行うことで卵巣・子宮の病気の予防・治療効果があります。
そのため、未避妊の場合には乳腺腫瘍の手術と同時に避妊手術をおすすめしています。
手術方法
部分切除、片側切除、全切除などの方法があります。
その子の状態に合わせて相談のうえ手術法を選択します。
どの腫瘍のオペもそうですが、腫瘍細胞は根を張るように存在しているため、傷口はやや大きくなります。
手術後について
摘出したものが悪性であれば抗がん剤で治療を行う場合や1~6ヶ月毎のレントゲン検査が推奨されます。
若い時期に行う避妊手術と乳腺腫瘍の発生率
若い時期の避妊手術は乳腺腫瘍の発生率を著しく下げます。初回発情前に避妊手術を行うことにより発生率が99%下がります。初回発情後に実施すると95%下がります。2回目の発情後に行うと75%下がります。ですので、若い時期に避妊手術を行うことをおすすめいたします。
腸の腫瘍
腸の腫瘍には腸腺癌、リンパ腫、肥満細胞腫、GISTなどがあります。
悪性のものが多く、また良性のものでも腫瘍によって腸閉塞をおこす危険性も高いため、検査と治療を兼ねた手術が適応になります。
腸の腫瘍 (レントゲン)
手術
腸管膜の血管の走行に注意して切除範囲を決めます。腸の腫瘍であれば5cmのマージンを見極めて定めます。
切除した後は全周の縫合による腸吻合を行います。また、切除したものを病理検査し診断を行います。
術後は摂食制限が必要なため入院期間は3から7日程度となります。
腸の腫瘍
精巣腫瘍
精巣の腫瘍にはセルトリ細胞腫、精上皮腫、間細胞腫などがあります。
精巣の腫瘍は肺や骨などに転移を起こす可能性があります。またセルトリ細胞腫という腫瘍はエストロジェンというホルモンを過剰分泌し、重度の貧血を引き起こします。
腫大した精巣腫瘍
手術
クローズ法とよばれる手技で精巣を摘出します。
腎臓腫瘍
腎臓の腫瘍は腎細胞癌、腎リンパ腫、移行上皮癌、腎芽細胞腫などがあります。
腎細胞癌が最も多く、摘出手術が適応になります。
腎臓の腫瘍(矢印)
治療
手術、抗がん剤、緩和療法などを組み合わせて行っていきます。
手術を行う場合はもう片方の腎臓の機能を調べてからとなります。
眼球内腫瘍
眼球内の腫瘍にはメラノーマ、リンパ腫、網膜芽細胞腫、繊維肉腫などがあります。
眼球内の腫瘍は超音波や視診にて検査しますが、細胞診などの検査がしづらい場所であり、放っておくと緑内障や全身転移を起こす場合もあります。
眼球表面の腫瘍
手術
手術は眼球摘出になります。眼瞼内からアプローチする方法と眼瞼外からアプローチする方法があり、当院では眼瞼外アプローチを採用しています。
脾臓腫瘍摘出
脾臓は血液を蓄えておく働きをしていて、全摘出が可能な臓器です。
脾臓の腫瘍(癌)で適応となります。
それらの診断はレントゲン、超音波検査となります。
脾臓の腫瘍の超音波画像
手術
脾臓に入ってくる動脈および静脈をすべて結紮することで血流を遮断したのち摘出します。
また頭側にある短胃動脈の分岐を縛らないように注意して手術を行います。
摘出した脾臓の腫瘍