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消化器科

下痢について

下痢は大きく分けて急性下痢と慢性下痢があります。

急性下痢は消化に悪い食べ物を食べたときや、季節の変わり目などの体のストレスなどで罹患します。

ワンちゃん用の整腸剤で4~5日程度で完治します。

3週間以上続く下痢は慢性下痢で、病気の可能性が高いため検査をおすすめします。

以下の図のように体に負担の少ない検査からしていきます。

原因別の治療を施します。

また、幼少期の下痢は回虫などの寄生虫が感染している可能性が高いため検便をおすすめしています。

消化管内寄生虫症

回虫

回虫
回虫

回虫卵

回虫の成虫

下痢や吐き気、異常にやせる、幼虫の迷入症などの症状を起こす。

 

○治療

・駆虫薬

・下痢など症状に応じて整腸剤等

ただし、駆虫薬は一度で効かないケースもあるので1か月後の再投与が必要。

コクシジウム

コクシジウム

コクシジウムのオーシスト(卵のようなもの)

原虫であるコクシジウムの感染による感染症。

主な症状は下痢、血便、嘔吐、痩せてくるなど。

 

○治療

・駆虫薬

・便の触れたものに熱湯をかけて消毒

・症状によって整腸剤等

犬条虫(瓜実条虫)

サナダムシ

瓜実条虫の片節(便の中に出てきます)

犬条虫

瓜実条虫卵

ノミの媒介による寄生虫感染症です。

治療は駆虫薬と同時にノミの駆除薬を投薬します。

犬鞭虫

鞭虫

鞭虫の卵        

 

血便、下痢、吐き気、痩せてくるなどの症状がみられる。

○治療

・駆虫薬

犬鈎虫

こうちゅう

鈎虫の感染による。

血便、下痢、嘔吐、痩せてくるなどの症状がみられる。

 

○治療

・駆虫薬

巨大食道症

巨大食道

バリウム造影をした巨大食道症

様々な原因によって食道が巨大化した状態。

放置すると、吐出、誤嚥性肺炎などを引き起こす。

 

○原因

・甲状腺機能低下症

・副腎皮質機能低下症

・重症筋無力症

・異物

・腫瘍

・特発性

 

・大動脈輪遺残

 

○治療

・原因別の治療をする

 

また、吐出を最小限に抑えるために、立位での少量頻回の食事(理想は30分)。

胃酸の逆流を防ぐ制酸剤。

胃腸運動改善薬などを使用する。

立位食事 荒川区 動物病院 台東区

胃腸炎

獣医領域では診断が非常に難しい。

膵炎や異物、腫瘤を形成するタイプの腫瘍などを否定してはじめて仮診断できる。

積極的な診断としては内視鏡(胃カメラ)検査があげられる。

ただ内視鏡は全身麻酔を必要とするため、これが胃腸炎の診断難易度を上げる一因となっている。

 

○治療

重症度に応じて治療していく。

 

・点滴

・粘膜保護剤

・制酸剤

・制吐剤

・胃腸運動亢進薬

黄疸

黄疸とは肝不全等の原因によってビリルビンという黄色い色素が非常に多くなった状態のことです。

○分類

・肝前性黄疸

溶血など

・肝性黄疸

肝炎、膵炎、腫瘍など

・肝後性黄疸

胆管の閉塞

 

いずれの原因にせよそれに適した治療が必要。

 

原因の特定のため、レントゲン検査、血液検査、超音波検査などが必要。場合によって、CT等も必要。

肝酵素上昇

○原因

病気ではないケース

・食事およびおやつなど(軽度な上昇)

・ジャックラッセルテリア犬種の肝酵素上昇

 

病気のケース

・感染

・炎症

・肝硬変(慢性炎症)

・外傷

・中毒

・腫瘍

・肝臓皮膚症候群

・虚血

・肝臓の異形成

・門脈体循環シャント

 

・膵炎

・胆道系疾患(胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫など)

・他臓器腫瘍による圧迫

 

○治療

原因疾患による。

例:門脈体循環シャントでは、単発ならば外科的な治療として単純結紮術あるいはアメロイドコンストリクターを用いた結紮術。

内科的な治療としてBCAA、肝臓保護材、制吐剤など。

慢性腸症

慢性腸症は以下に分類される。

 

・炎症性腸疾患

・リンパ管拡張症

・抗生物質反応性腸症(抗生物質で治療する)

 

○治療

ステロイド単独で、コントロールできることもある。

ただ、治りが悪いまたはすぐに再発してくる場合は以下の通りに治療する。

 

・リンパ管拡張症を伴う炎症性腸疾患

グルココルチコイド+抗アレルギー食

+場合によっては免疫抑制剤

 

・リンパ管拡張症

グルココルチコイド+低脂肪食

+場合によっては免疫抑制剤

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